仮想通貨ETFについて:なぜSECは承認しないのか?いつ購入可能になるのか?

ビットコインと広い意味での仮想通貨のETFが主流となるための道が開けるには、乗り越えなければならない大きなハードルがあります。これまで、9本の仮想通貨ETFがSEC(証券取引委員会)に対して上場申請されましたが、それらの申請は却下されています。SECの一貫したアプローチは、仮想通貨ETFの申請を却下しつつ、承認の期限を最大限後ろ倒しにする点で、それにより、ETFの申請は引き下げざるを得ませんでした。再申請はまた初めからやり直さなければなりません。仮想通貨ETFの申請が最後に審査されたのは2018年8月でした。

このアプローチは、仮想通貨ETFの再申請もしくは新たな仮想通貨ETFの申請に向けてできる限りの後押しだと言っても差し控えないでしょう。しかし、なぜ仮想通貨ETFが購入可能になることが仮想通貨界の発展において重要である一方、なぜSECは、少なくとも今現在、上場申請を次々と却下しているのでしょうか?そして、仮想通貨ETFの上場申請がいつか承認されるという希望があるのか、それはいつ頃、どのような条件で叶うことになるのでしょうか?

ETFとは?

この問題を調べるにあたり、初めに考えるべきことは、ETFとは一体何なのかということです。ETFという言葉は”Exchange-traded Funds” (上場投資信託)の頭文字を取ったものです。ETFは、株式が有する投資あるいは取引の柔軟性と、資金の分散化を一体化させる目的でできた投資商品です。金や原油などの商品市場の価格を基本にしたETFも存在します。

ミューチュアル・ファンドや投資信託も、投資先のポートフォリオの代表として、さまざまなETFを提供することができます。ミューチュアル・ファンドや投資信託も株式市場で単元毎に売買されます。ETFの価格は上場株式や商品相場と同じように、リアルタイムで変動する一方、他の種類のファンドの価格は調整があるのみですが、市場が1日の取引を終えた後でも売買可能な点は異なります。また、絶対にそうだというわけではありませんが、ETFはFTSE100, S&P500や株式セクターあるいは商品相場の指標などの数値に連動される傾向があります。積極運用が行われないため、ETFの手数料はアクティブ型ファンドのそれと比べても格安です。

ETFの人気は上がっており、最も人気のある投資手法の一つです。利便性とコストパフォーマンスの良さから、毎年、機関投資家も個人投資家も多くの資金をETFに投入しています。

仮想通貨ETFの展望は?

仮想通貨ETFはビットコインのような単一の仮想通貨の価格、もしくは、複数の主要仮想通貨の指標に連動するものになると思われます。この仮想通貨の指標は、幅広い仮想通貨市場と連動される手法を採り、各通貨の時価総額を元に比重化されます。これは、FTSE 100 ETFが、ロンドン証券取引所に上場される大手企業100社のパフォーマンスに連動されるのと似ています。

なぜ仮想通貨ETFはそこまで重要なのか?

仮想通貨ETFは将来の市場発展のために大変重要だと考えられています。その理由は、ETFは安定性のある金融商品だからです。安定商品にしか投資をしないとする方針の機関投資家も多く、それらの機関投資家は、仮想通貨市場に魅力があるとわかっていても、そこへ投資をするという選択肢を有しません。

仮想通貨ETFのおかげで、個人投資家が仮想通貨市場でさらに売買しやすくなることも期待されています。仮想通貨を購入するためには、個人投資家は仮想通貨取引所に口座を開き、ウォレットを設ける必要がありますが、仮想通貨ETFによって、ハッキングや盗難、その他人々が仮想通貨への投資から遠ざかる要因となる障害にさらされながら投資するリスクを心配せずに済みます。マウスを数回クリックさえすれば、個人投資家は、既存のオンライン証券会社を通じて、ある一つの主要な仮想通貨もしくはより広範な仮想通貨市場の価格に対して投資を行うことができます。

機関投資家がごくわずかの資金を仮想通貨ETFに振り分け、かつ、多くの昔ながらの個人投資家も少しの金額をそこへ投資しただけでも、仮想通貨市場の流動性は一気に高まることになるでしょう。これにより、これまで不換通貨と同一の地位を目指す仮想通貨にとって大きな障害となっていた仮想通貨価格のボラティリティの高さが、かなりの部分抑えられることが期待されます。また、日々の商業取引において事実上使用可能なスケーラビリティを有する仮想通貨がどれなのかがわかり、そして、これが最も重要なことですが、仮想通貨に対してより大きな信頼が与えられ、より広い人々との信用が構築されることになります。

なぜSECはこれまですべての仮想通貨ETFの申請を却下してきたのか?

2018年末、SECのJay Clayton委員長が、仮想通貨ETFの承認を検討するにあたり、SECが何を考えているのかを示唆しました。委員長はこのETFに対して「市場監視能力の向上」と「資産管理機能の改善」を要求しました。つまりこれは、統一した監督基準を有し、窃盗に繋がるハッキング攻撃のリスクがない、デジタル資産を安全に保管する仮想通貨市場でなければならない、ということです。

Clayton委員長は、株式市場と比べて、仮想通貨市場で使われている監視機能は高度なものではなく、その結果、適切な市場価格が保証されない点を懸念しています。事実、同じ仮想通貨であっても、取引市場によって取引価格はかなり違います。取引市場間で需給データを共有できるインフラがないため、取引価格は個々の市場での需給レベルで決定されます。

また、仮想通貨市場はまだある一定の参加者による市場操作のリスクがあり、監視システムもなく、市場操作の検知やその抑え込みができずにいます。

セキュリティに関して、Clayton委員長は以下のように述べています。

人々を悩ましているようなデジタル資産の窃盗を何件か確認している。ETFの基礎をなす資産は強固な管理機能を有し、かつ消えてなくなることがないことが大事だと考える」

短中期的に仮想通貨ETFが承認される可能性はあるのか?

これは大変難しい質問です。特に現在仮想通貨を所有する人、あるいは投資を考えている人にとっては気になるところです。2019年3月現在、SECは2件の新たな仮想通貨ETFの申請を検討しています。両方とも純粋なビットコインETFで、 承認に繋げるための規則変更の提案が含まれています。

SECは申請提出日から45日間検討をし、その後90日間まで延長が可能です。それ以上の延長も可能ですが、申請提出日から240日後までには、SECはETFの申請の承認もしくは却下を決定しなければなりません。それ以上の延長も可能ですが、申請提出日から240 後までには、SECはETFの申請の承認もしくは却下を決定しなければなりません。

この新しいETFを扱う会社は、以前申請された商品と比べて、今回の商品は綿密に構築されており、資産保護もより強固であると考えています。SECは承認するでしょうか?それはわかりませんが、現時点では、その可能性はかなり低いものと思われます。しかしながら、毎回却下されることで、仮想通貨市場にとっては、仮想通貨ETFの承認に向けてさらに一歩近づくことになります。そして、仮想通貨ETCの上場承認は、2008年にビットコインの原型をなすホワイトペーパーが出された時以来となる、仮想通貨界にとって最大の発展材料となる可能性があります。