ブロックチェーン技術の長所と、仮想通貨及び暗号技術を改めて考える

仮想通貨やブロックチェーン技術に関心がある人は、ブロックチェーンという比較的新しい技術の長所や、ブロックチェーンが描く未来の形についてすぐわかるでしょう。不換通貨と異なり、仮想通貨は分散性を有しているので、中央銀行が自らの損失を取り戻すために仮想通貨を奪い去ることはできません。また、仮想通貨は取引の偽造や破棄が不可能なデジタル通貨であるため、企業も一般人も、不渡り手形や偽造紙幣のような詐欺に遭わないようになります。

また、クレジットカードを盗まれた場合とは異なり、仮想通貨には他人に口座からお金を引き出される危険性はありません。仮想通貨は即時の資金決済が可能なので、数日間待つ必要もなく、手数料も低いです。国際的な視点で見ると、インターネットに繋がっていれば誰でも仮想通貨を利用できるので、伝統的な銀行や取引所と繋がっていない人には役立ちます。

ブロックチェーンの活用

仮想通貨の根幹をなすブロックチェーン技術には多くの長所と使用事例があり、それによりブロックチェーンの利用拡大に繋がっています。ビジネス面では以下のような長所があります:

  • 費用対効果が高く、サプライチェーン・マネージメントにおいて通貨の流れを追跡することができる
  • 不正行為の元を特定することができ、品質が確保される
  • 取引記録におけるヒューマンエラーがない
  • 従来の契約取引よりも格段に容易な、自動化された契約取引

ブロックチェーンはまた、選挙での不正を防止する手段として活用することも可能です。加えて、信頼性のある開かれた株式市場の形成に活用することも考えられています。例えば、オーストラリアでは、株式市場を、ブロックチェーンを基盤としたシステムに変更することを計画しています。これがうまくいけば、他も追従するかもしれません。ブロックチェーンを活用したエネルギー供給網により、使用量を正確に確認することや、地球にやさしいエネルギーを選択するのに役立ちます。同様に、為替レートや他の面倒なことを気にせず、国境を越えて仮想通貨を用いたP2P取引が可能です。全般的に見て、ブロックチェーンが有する変更不可能な台帳技術により提供される信頼性と透明性により、こうした利点がもたらされるのです。

仮想通貨における暗号技術の活用

「仮想通貨(cryptocurrency)」の”crypto”という言葉は「暗号 (cryptography)」を由来としていますが、仮想通貨またはブロックチェーン技術を使う人には、仮想通貨における暗号技術の役割をしっかり理解していない人もいます。ブロックチェーンの経験が多い人でも、この関係性をしっかり理解していないかもしれません。「cryptocurrency」「cryptography」の両方に含まれている「crypto」という言葉には、「秘密 (secret)」「隠された (concealed)」の意味が含まれています。

基本的に、暗号技術を活用することで、仮想通貨は完全もしくは擬似的な匿名性を生みます。理論的には、暗号技術の活用を通じて、取引参加者の安全と取引の安全性が担保され、二重支払いが回避でき、中央権力の不介入を保証しています。

実際、暗号技術は、仮想通貨において様々なところに活用されています。例えば、新たな通貨単位の生成制限や、ネットワーク上の取引の保証、トークンやデジタル資産の送信の承認といったところです。他の技術同様、ブロックチェーンで使われる暗号技術は、安全な形でデータ値を送信・保管する手法として、高度な数学コードに依存しています。このようにして、取引やデータの受信者となるべき人間のみが、それらを読み込み、受け取り、処理を行うことができるようになります。これは、実世界における署名に似た役割を持ち、取引やその参加者の信頼性が担保されます。

さらに詳しく見ていくと、仮想通貨においては複数の特別な暗号技術が使われています。これらには対称性および非対称性の暗号技術、ハッシュ化(元データを別のデータに置き換えること)、デジタル署名などがあります。

ハッシュ化により、ネットワーク上での取引の完全性を効率的に確認できます。ハッシュ化は、口座アドレスを暗号化しつつ、与えられたブロックチェーンデータの構造を維持します。この処理によりブロックの採掘(マイニング)ができるようになり、口座間の暗号化取引にとって重要な点になります。デジタル署名を行うことで、善意の参加者がネットワーク上で身分証明を行うことができるようになります。

対称性暗号技術は、単一の秘密鍵(シークレット・キー)を使い、未加工のメッセージをソースごと暗号化することができます。その後、暗号化されたメッセージが送信され、相手方に届けられたら、同一の秘密鍵を使い復号が行われます。実装するのが簡単で、処理時のオーバーヘッドも必要最小限で済む一方、スケーラビリティ(拡張性)の問題があり、同時に、秘密鍵にも安全上の懸念があります。

非対称性暗号技術では、秘密鍵と公開鍵(パブリック・キー)を使い、暗号化と復号化が行われます。所有者だけが秘密鍵を知っている一方、誰もが公開鍵を知ることができます。これにより、誰もが公開鍵を使いメッセージを暗号化でき、復号化には秘密鍵を必要とするので、安全性が増します。